深い緑の中にたたずむこの建物は、わが国の産業界の重鎮、松本健次郎が明治４１年から４５年にかけて住居と迎賓館を兼立てたもので、洋館と日本館からなる典型的な貴神住宅です。 洋館の設計は東京駅、日本銀行本店など数多くの名建築を残した辰野金吾が主宰する辰野・片岡事務所で、外観及び室内意匠、家具とも、１９世紀末欧州で起こったアールヌーボー様式を取り入れており、しかもそのデザイン、建築技術ともに優れているのが特色です。 日本館の設計は明治専門学校の建物監督をした久保田小三郎で、数寄屋造りの中央書院と書院造りの大座敷が雁行するように配置されています。昭和４７年に洋館と日本館が、５７年に蔵二棟が国の重要文化財に指定されました。なお一般の方は、毎年春、秋の公開日に見学できます。

毎年、春秋に一般公開